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Window プロジェクト

Development フォルダの App フォルダを開き、ファイルメニューから「新規フォルダ」を選ぶか ⌘ + N で　Window というフォルダを作ります。

Think C (Think Project Manager) を起動して表示されるダイアログで New をクリックします。Think C がすでに起動していた場合は File メニューから「New Project...」を選びます。

次のダイアログで、Window フォルダを選択して、Name new project に Window と入力して Create をクリックします。
操作の手順によっては、Create ボタンは「保存」という名前に変わっている場合もあります。

Window プロジェクトウィンドウが開きます。もし プロジェクトウィンドウを閉じてしまった場合は、File メニューから「Open Project」を選びます。

C ファイルの作成

Window プロジェクトウィンドウをアクティブにして File メニューから New を選ぶと Untitled というウィンドウが表示されます。このウィンドウに次のコードを記述します。

main()
{
        WindowPtr       window;
        Rect            rect;
        
        InitGraf( &thePort );
        InitWindows();
        
        SetRect(&rect, 50, 50, 300,200);
        window  = NewWindow(0, &rect, "\pWindow", true, documentProc, (WindowPtr)-1L, false, 0 );
        
        SetPort(window);
        FillRect( &( window->portRect ), white );
        MoveTo  ( 90, 70 );
        DrawString( "\pHello, world!" );
        while (!Button());
        DisposeWindow( window );
}
    

コード説明

• WindowPtr window;
  ウィンドウの型は WindowPtr というポインターです。
• Rect rect;
  矩形領域を表す型です。
• Mac OS 7 の頃には、GUI を実現する関数群は Toolbox と呼ばれていました。次の 2 つの関数は、その Toolbox を初期化する関数です。アプリケーションの開始部分で必ず実行しなければなりません。
  1. InitGraf( &thePort );
     QuckDraw と呼ばれる Macintosh で描画を担当する関数群を初期化します。
  2. InitWindows( );
     ウィンドウを初期化します。
• SetRect( &rect, 50, 50, 300, 200 );
  矩形領域を設定しています。この矩形領域をウィンドウの位置とサイズとして利用します。引数は次のとおりです。
  1. 第1引数に矩形領域を保持する変数のポインターを指定します。
  2. 第2引数に矩形領域の左上のスクリーンに対する X 座標を指定します。
  3. 第3引数に矩形領域の左上のスクリーンに対する Y 座標を指定します。
  4. 第4引数に矩形領域の右下のスクリーンに対する X 座標を指定します。
  5. 第5引数に矩形領域の右下のスクリーンに対する Y 座標を指定します。
• window = NewWindow(0, &rect, "\pWindow", true, documentProc, (WindowPtr)-1L, false, 0 );
  NewWindow 関数でウィンドウを作成します。引数は次のとおりです。
  1. 第1引数にウィンドウをメモリーに割り当てる方法を指定します。0 を指定するとヒープと呼ばれるメモリー領域に割り当てられます。ヒープに割り当てられたオブジェクトは、プログラム上で解放することになります。ヒープとは違い自動的に割り当てと解放が行われるメモリー領域はスタックと呼ばれます。
  2. 第2引数に矩形領域を設定した変数のポインターを指定します。
  3. 第3引数にウィンドウのタイトルバーに表示される文字列を \p エスケープシーケンスを使ってパスカル文字列として指定します。Toolbox の中では文字列はパスカル文字列を使います。
  4. 第4引数に true を指定するとウィンドウが表示状態で作成されます。ウィンドウのデフォルトは非表示です。
  5. 第5引数にウィンドウのタイプを指定します。documentProc は、タイトルバーだけのウィンドウです。
  6. 第6引数に作成するウィンドウの Z 軸の前後関係を指定します。(WindowPtr)-1L を指定すると最前面のウィンドウになります。
  7. 第7引数にクローズボックスを表示するかどうかを指定します。
  8. 第8引数にユーザーが定義したデータを指定しますが、使っていない場合は 0 で構いません。
  9. 第9引数にリソースの ID というものを指定しますが、省略することもできます。ここでは省略しています。リソースについては後の章で説明します。
• SetPort( window )
  ウィンドウをアクティブウィンドウにします。
• FillRect( &( window->portRect ), white );
  ウィンドウの矩形領域を white というパターンで塗りつぶしています。ここでの white は白色というカラーを指定しているのではなく、white というパターンを指定しています。しかし white というパターンは矩形領域に何も描きませんので、実質白になります。
• MoveTo( 90, 70)
  ウィンドウのペンを第1引数の x 座標と第2引数の y 座標へ移動します。
• DrawString("\pHello, world!")
  現在のペンの位置に文字列を描画します。引数の文字列は " と " で囲みます。\p というエスケープシーケンスは、文字列を Pascal 形式にすることを指定しています。Toolbox 関数では、文字列は Pascal 文字列として扱われます。
• while ( !Button() ) ;
  マウスがクリックされるまでは、無限ループが繰り返され、アプリケーションは起動し続けます。Button() 関数は、マウスがクリックされると true が返されます。
• DisposeWindow( window );
  ウィンドウに割り当てられていたメモリー領域を解放します。

File メニューから Save を選び、Window フォルダに Window.c という名前で保存します。

Window.ヶ プロジェクトウィンドウをアクティブにして、Source メニューから Add Files を選びます。表示されるダイアログで、Window.c を選択して Add をクリックします。

Window.c が下のペインに移動しましたら、Done をクリックします。

ToolBox ライブラリの追加

Window プロジェクトウィンドウをアクティブにして、Source メニューから Add Files を選びます。Development フォルダの THINK C フォルダの Mac Libraries の中の MacTraps を選択して、Add をクリックします。

MacTraps が下のペインに移動したら、Done をクリックします。

Window プロジェクトウィンドウは、次のようになります。

実行

Project メニューで Run を選びます。 Bring the project up to date? と表示されたら Update をクリックします。

アプリケーションが無事に表示されます。

ダブルクリックで起動できるアプリケーションを作成する場合は、プロジェクトウィンドウをアクティブにして、Project メニューで Build Application を選びます。表示されるダイアログでアプリケーションを保存する場所を選び、アプリケーション名を入力して「保存」をクリックします。

保存した場所のアプリケーションをダブルクリックすると、アプリケーションが起動します。アプリケーション（実行ファイル）を他の場所に移動してもダブルクリックで起動できます。

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